赴く日記

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怖い話 深夜のバンド練習帰りに見たもの

最近、怖い話を知るチャンネルにハマっているので、自分も怖い話を少しします。

 

あれは2007年の春のことです。

当時私はその界隈ではそこそこ有名なインディーズバンドを組んでおり、活動拠点は専ら新宿付近でした。
普段は平日の午前中に週2回ほど代々木にあるスタジオで練習をしているのですが、その日は大きめのライブが近くにあるということで深夜0時から6時間みっちりスタジオにこもって練習しよう、ということになっていました。
ですが練習を始めて2時間でダレてきてしまいました。

誰からともなく「ご飯買いに行こうよ」と声が上がります。
気分転換にコンビニに行こう、ということでみんなの共通意思が固まりました。
この時コンビニだけ行ってさっさと練習に戻ればよかったものを、当時20歳そこらだった僕らは「深夜なんだし深夜にしかできないことをしようよ」という深夜さながらのテンションで心霊スポットを探してしまったのです。
代々木から歩いて行ける距離といえば、新宿、千駄ヶ谷
そう、有名な千駄ヶ谷トンネルのあるところです。そこまでスタジオから歩いて10分ほどでした。
やめればいいものを実際に行ってみると、もうとにかく雰囲気が異様なのです。

そもそもこのトンネルが墓地の下をくりぬいて作ったというなんとも罰当たりなもので、それは霊たちも怒るだろうと。
しかもトンネルには入口から中までよくわからないイラストがびっしり描かれているのです。
どうやら近隣の学校が描いたものらしいのですが、雰囲気を和ませようとしているのが逆効果になっています。はっきり言って不気味です。
トンネル内部は黄色い灯りがぽつぽつと。一応見渡せるのですが、構造上影になる部分が多いのです。
私たちは「やばいよこれ絶対」とか言いながらもニヤニヤしながらゆっくり中に入っていきました。
雰囲気には最初から押されていたのですが、それ以上に何とも言えない重圧を感じるのです。

そしてトンネル中ほどに差し掛かると、段ボールが重ねられている、要するにホームレスの家がありました。
後あと調べたら有名なホームレスの方だったのですがこの時は違いました。
ホームレスなら、人のはずです。
段ボールから顔を出していたのは、灰色の頭でした。
髪もなく、ただ灰色の球体に白い目が2つ。
口もない。それが手をうねうねさせているのです。
「うわあああっ!!」
誰かが叫びだしました。そしてメンバーみんなで全速力でトンネルを走り抜けます。
「なんだったんだ今の?」
「ホームレス?いや、それにしては」
と皆が見た同じものに対して、どうにも人間とは考えられない異様なものを見たという見解は一致していました。

振り返ると、もう陰に隠れていて何も見えません。
どう調べても、あそこにはホームレスが一人いるだけだという情報しかありません。
私たちが見たような異様な生き物は、報告されていません。
あれはなんだったのでしょうか。
今でも私たちはその正体がわかっていません。